Keepaを入れてAmazonの商品ページを開くと、グラフが表示されます。ただ、線が何本も重なっていて、どこを見ればいいのか分からないまま閉じてしまう——最初はここでつまずきやすいところです。
この記事では、そのグラフを自分で読めるようになることだけを扱います。Keepaがどんなサービスで何を記録しているかはKeepaとは?Amazonせどりでの使い方を初心者向けに解説で説明しているので、先にそちらを読んでおくと理解しやすくなります。
Keepaのグラフは、縦軸と横軸が何を表しているかを押さえ、線が何本あるのか・どこで途切れているのか・どちらへ動くと良い意味なのかを確認すれば読めるようになります。色や配置は変わることがあるため、覚えるべきは見た目ではなく、それぞれのデータが何を意味するかです。
- グラフの縦軸・横軸が何を表しているか
- 価格のグラフで複数の線を読み分ける方法
- 売れ筋ランキングのグラフで動きを読む方法
- 出品者数のグラフを価格と重ねて読む方法
- 期間を切り替えると印象が変わる理由
Keepaのグラフで見る3つのデータ
Keepaのグラフには、価格・売れ筋ランキング・出品者数という3種類のデータが、同じ時間軸の上に描かれています。それぞれが何を記録しているのかは、冒頭で紹介したKeepaの基本記事で説明したとおりです。
この記事で扱うのは、その先の「読み取り方」です。同じグラフを見ても、軸の意味と線の見分け方を知っているかどうかで、読み取れる内容がまったく変わります。
Keepaの画面は更新されることがあり、線の色・配置・表示名は将来変わる可能性があります。そのため本記事では特定の色や配置を「こうなっている」と断定しません。グラフには通常、どの線が何を示すかを表す凡例が用意されているので、実際の対応は自分の画面で確認してください。この記事で覚えていただきたいのは見た目ではなく、それぞれのデータが何を意味し、どう動いたときに何が起きているのかという読み方です。
価格のグラフの読み方
縦軸と横軸が何を表しているか
価格のグラフは、横軸が時間、縦軸が金額です。左へ行くほど過去、右へ行くほど現在に近くなります。縦軸は上へ行くほど高い金額です。
まず確認したいのは、縦軸がどの範囲で表示されているかです。グラフは表示されているデータに合わせて縦軸の幅が調整されるため、わずかな変動でも大きく波打って見えることがあります。縦軸に表示されている実際の金額を見ないと、変動の大きさを実際より大きく受け取ってしまいます。
複数の線が同時に描かれている理由
価格のグラフには線が複数描かれます。これは、同じ商品でも「どの条件で売られている価格か」が分かれて記録されているためです。新品と中古では価格帯が違いますし、出品者によっても条件が変わります。
そのため、まず自分が売ろうとしている条件の線だけを追うことから始めてください。新品で出品するつもりなら中古の線は今は見なくて構いません。すべての線を同時に読もうとすると、情報量が多すぎて何も判断できなくなります。
グラフの凡例では、表示する線を切り替えられるようになっていることがあります。関係のない線を消してしまえば、見るべき線だけが残って一気に読みやすくなります。
線が途切れている区間の意味
線をたどっていくと、途中で切れている区間が見つかることがあります。これは価格が0円になったという意味ではなく、その期間はその条件の出品がなかった、つまりデータが記録されていないことを示しています。
この読み取りは意外と重要です。途切れが多い商品は、常に買える状態ではなかったということです。逆に線が連続している商品は、その期間ずっと誰かが売っていたことになります。
線の「形」から何が読めるか
価格の線は、大きく次のような形になります。形そのものが、その商品の売られ方を表しています。
- ほぼ横ばい — 価格が安定していた。相場をつかみやすい
- 上下に細かく振れている — 出品者どうしで価格が動いていた可能性がある
- 階段状に下がっている — 時間とともに相場が下がってきている
- 一点だけ突出している — その瞬間だけの価格。全体の相場とは分けて考える
とくに注意したいのは最後の「一点だけ突出している」形です。グラフの中で一番高い位置にある点を見て「この価格で売れる」と考えてしまいがちですが、その高さが一瞬だけのものなら、同じ価格で売れる保証はありません。点ではなく、線がどのあたりを通っている時間が長いかを見てください。
売れ筋ランキングのグラフの読み方
数字が小さいほど上位である点に注意
売れ筋ランキングは順位なので、数字が小さいほど売れていることを表します。1位のほうが1万位より上位です。
ここが価格のグラフと決定的に違う点です。価格は「上に行くほど高い」ですが、ランキングは「数字が小さいほど良い」ため、グラフがどちらの向きに描かれているかで読み方が逆になります。自分の画面で、縦軸の数字が上へ行くほど大きくなっているのか小さくなっているのかを最初に確認してください。ここを取り違えると、売れている商品を売れていないと判断してしまいます。
ランキングは他の商品との相対的な順位です。同じ順位でも、カテゴリーが違えば売れている個数の意味は変わります。カテゴリーをまたいで順位の数字だけを比べないでください。
ギザギザの意味
ランキングのグラフは、価格のようになめらかではなく、細かく上下したギザギザの形になることがよくあります。これは順位が売れたタイミングで動くためで、その1回1回が「動きがあった」目安になります。
したがって、読み取るのは順位の数字そのものよりも動いた頻度です。ギザギザが何度も現れている商品は、その期間に繰り返し動きがあったことになります。反対に、長い期間ほとんど変化のない平らな線が続いていれば、動きが少なかったと考えられます。
出品者数のグラフの読み方
出品者数のグラフは、その商品を何人が売っていたかの推移です。単独で見るよりも、価格のグラフと同じ期間で重ねて見ると読み取れることが増えます。
見るのは次の2点です。1つ目は、出品者が増えた時期に価格がどう動いたか。2つ目は、今の出品者数がこれまでと比べて多いのか少ないのかです。
出品者が増えると価格の下げ合いが起きやすくなることはKeepaとは?Amazonせどりでの使い方を初心者向けに解説でも触れましたが、グラフを重ねて見ると、その商品で実際にそれが起きていたのかどうかを自分で確かめられます。過去に出品者が増えても価格が崩れていなかったのか、それとも大きく下がったのかは、商品によって違います。
出品者数が「今」何人かという数字だけを見ても判断材料になりません。増えている途中なのか、減っている途中なのか、という動きの向きのほうが読み取れる情報は多くなります。
期間を切り替えて見る理由
Keepaのグラフには、どのくらい過去までさかのぼって表示するかを選ぶ機能があります。ここで大切なのは、同じ商品でも、選んだ範囲によって受ける印象がまったく変わるということです。
直近の短い期間だけを見ると、価格が上がり続けているように見えることがあります。しかし長い期間で見ると、その上昇は毎年繰り返されている変動の一部にすぎない、という場合があります。逆に長い期間だけを見ていると、最近になって起きた変化を見落とします。
そのため、期間は1つに決めず、長い期間と短い期間の両方を見比べてください。長い期間で全体の相場感をつかみ、短い期間で今どうなっているかを確認する、という2段階で見ると判断材料がそろいます。
- 長い期間 — 相場の上限と下限、繰り返し起きている変動があるか
- 短い期間 — 今の価格が相場のどのあたりにいるか、直近で変化がなかったか
- 両方を比べて — 直近の動きが、いつもの変動なのか例外的なものなのか
Keepaのグラフを読むときにやりがちな誤解
グラフの最高値を見て「この価格で売れる」と考えるのは、最もよくある誤解です。一瞬だけ付いた価格と、長く維持された価格はまったく意味が違います。また、線が途切れている区間を「価格が下がった」と読み違えるのもよくある間違いで、実際には出品がなかっただけです。ランキングのグラフを価格と同じ感覚で「下がっている=悪い」と読んでしまうミスも起きやすく、数字が小さいほど上位である点を毎回思い出してください。そして、表示されている期間が最初から自分に合っているとは限りません。期間を切り替えずに読んだ判断は、見ている範囲の分だけ偏ります。
もうひとつ加えておきたいのは、グラフは過去の記録であって、これからを保証するものではないということです。読み取れるのは「これまでどうだったか」までで、その先どうなるかは書かれていません。
AIを使うなら
AIは、自分がグラフから読み取った内容を言葉に整理したり、確認し忘れている観察ポイントがないかを点検したりする用途に向いています。「価格は横ばい、ランキングは月に数回動く、出品者数は増加傾向」と読み取った内容を書き出して渡せば、抜けている観点を挙げてもらうことができます。一方で、グラフの画像をAIに渡して読み取りそのものを任せることはおすすめしません。線の対応や軸の向きを取り違えたまま、もっともらしい説明が返ってくることがあります。グラフを読むのはご自身で行い、AIは読み取ったあとの整理役として使ってください。
※AIの回答だけで仕入れを決定せず、価格・手数料・販売条件などの一次情報も必ずご自身で確認してください。
グラフが読めるようになったら次にやること
グラフを読めるようになったら、次は読み取った内容をどう仕入れの判断につなげるかという段階です。ランキングが何位なら仕入れてよいか、価格がどのあたりにあれば候補になるかといった判断の基準は、この記事では扱いません。商品やカテゴリーによって変わるため、その考え方はKeepaを仕入れ判断に活かす|3つのデータを組み合わせて考えるで取り上げています。
先に済ませておきたいのは、費用を含めた利益の計算です。グラフから売れそうな価格の見込みが立っても、手数料や送料を引いて手元にいくら残るかは別に確認する必要があります。その計算方法はAmazonせどりの損益分岐点|利益が残る売値と仕入れ値の求め方で説明しています。
Q. グラフの線が途中で切れているのはなぜですか?
その期間、その条件での出品がなくデータが記録されていないことを示しています。価格が0円になったという意味ではありません。途切れが多い商品は、いつでも買える状態ではなかったと読み取れます。
Q. ランキングのグラフは上に行くほど良いのですか?
ランキングは数字が小さいほど上位です。グラフがどちらの向きに描かれているかは自分の画面で確認してください。向きを取り違えると、読み取る意味が逆になります。
Q. 線がたくさんあってどれを見ればいいか分かりません。
自分が売ろうとしている条件の線だけを追ってください。新品で出品するなら中古の線は今は見なくて構いません。凡例で表示を切り替えられる場合は、関係のない線を消すと読みやすくなります。
Q. 表示する期間はどれを選べばいいですか?
1つに決めず、長い期間と短い期間の両方を見比べてください。長い期間で相場の範囲をつかみ、短い期間で今の位置を確認する、という順番が分かりやすくなります。
Q. グラフの一番高い価格で売れると考えていいですか?
おすすめしません。一瞬だけ付いた価格と、長く維持されていた価格は意味が違います。点ではなく、線がどのあたりを通っている時間が長いかを見てください。
Keepaのグラフは、縦軸と横軸が何を表しているかを押さえ、自分に関係する線だけを追い、途切れや形から何が起きていたのかを読み取れば、初心者でも扱えるようになります。ランキングは数字が小さいほど上位という点、出品者数は価格と重ねて見るという点、期間は長短の両方を見比べるという点を押さえておけば、読み取れる内容は一気に増えます。色や配置は変わることがあるため、覚えるべきは見た目ではなく、それぞれのデータが何を意味するかです。読み取れるようになったら、その情報をどう判断に変えるかが次の課題になります。


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