せどりの在庫管理のやり方|記録する5項目と見直すタイミング

せどりの在庫管理|手元・納品中・預け先の3か所にある在庫を1つの管理表にまとめる図 出品・販売ノウハウ

仕入れた商品が今どこに何個あるか、すぐに答えられるでしょうか。手元の段ボール、発送したばかりの荷物、Amazonの倉庫に預けた分——せどりの在庫は、始めた直後から複数の場所に分かれていきます。

在庫の把握が遅れると、売れないまま保管の費用だけがかかり続ける商品や、すでに持っている商品をもう一度仕入れてしまうといった損失が、気づかないうちに積み上がります。この記事では、専用のツールを導入する前に、表1枚で在庫を管理する方法を説明します。

結論

在庫管理とは、「今どこに何があるか」をいつでも言える状態を保つことです。記録する項目を増やす必要はなく、商品名・仕入れた日・仕入れ値・今ある場所・出口の5つで足ります。大切なのは項目の多さではなく、見直す日をあらかじめ決めておき、動いていない在庫に自分で気づける状態にしておくことです。

この記事で分かること
  • せどりの在庫が分かれる3つの場所
  • 在庫管理表に記録する5つの項目
  • 動かなくなった在庫に早く気づくための見方
  • 見直すタイミングの決め方
  • 記録が続かないときに削ってよいもの

在庫管理は「今どこに何があるか」を言える状態を保つこと

在庫管理と聞くと、専用のソフトや細かい表を思い浮かべるかもしれません。ですが最初に必要なのは、それよりずっと手前のことです。手持ちの商品について、いつ・いくらで仕入れて、今どこにあり、いつまでに売るつもりなのかを答えられる。この状態を保つことが在庫管理です。

答えられない状態が続くと、判断がすべて後手に回ります。売れていない商品に気づくのは費用が引かれたあと、資金が足りないと気づくのは仕入れたいものを見つけたあと、という順番になってしまうからです。

初心者ポイント

商品が数点しかないうちは、記憶で足りているように感じます。ただし記憶で足りるのは点数が少ないからではなく、まだ売れ残りが出ていないからです。仕入れの回数が増えると、売れた商品より売れていない商品のほうが記憶に残りにくくなります。

せどりの在庫は3つの場所に分かれている

在庫管理が難しく感じる一番の理由は、商品が1か所にまとまっていないことです。せどりの在庫は、次の3つの状態のどれかにあります。

在庫がある3つの場所
  • 手元にある在庫 — 仕入れたあと、まだ発送も出品もしていない商品
  • 納品中の在庫 — 倉庫へ向けて発送済みで、まだ受領されていない商品
  • 預けている在庫 — Amazonのフルフィルメントセンターなど、外部の倉庫にある商品

この3つを分けて把握していないと、「売れないと思っていた商品が、実は納品中でまだ出品されていなかった」といった食い違いが起きます。管理表には必ず、今どの状態にあるかを書いてください。

手元の在庫は「見えている」ようで抜けやすい

目の前にあるぶん安心しがちですが、実際にはここが一番抜けます。出品の準備が途中で止まったまま置かれている商品は、売上にも費用にも現れないため、記録がなければ存在ごと忘れられます。

預けている在庫は自分の目で見えない

倉庫に預けた在庫は、画面を開かないかぎり状況が分かりません。そのぶん記録と定期的な確認の重要度が上がります。FBAの仕組みそのものについてはAmazon FBAとは?使い方と納品の流れを初心者向けに解説で説明しています。

在庫管理表に記録する5つの項目

最初はスプレッドシートやExcelで十分です。列を増やすほど続かなくなるため、次の5つから始めてください。

最低限そろえる5項目
  • 商品名と、自分が分かる識別名 — 同じ商品を複数回仕入れたときに区別するため
  • 仕入れた日 — 何日そこにあるかを数えるための起点
  • 仕入れ値 — 何を含めるか(送料を入れるかなど)を先に決めて固定する
  • 今ある場所 — 手元/納品中/預け先のどれか
  • 出口 — 想定している売値と、いつまでに売るつもりか

5つのうち、あとから足すのが一番大変なのが仕入れた日です。過去にさかのぼって思い出すことはほぼできません。他の項目が埋まっていなくても、日付だけは仕入れたその日に入れてください。

記録しない項目を先に決める

続かない管理表の多くは、項目が多すぎることが原因です。手数料の内訳、利益率、競合の出品者数といった数字は、そのつど調べれば分かるもので、在庫管理表が持つ必要はありません。費用の計算はせどりの利益計算のやり方|手数料・送料など5つの費用まで含める方法で扱っているため、管理表では「いくらで仕入れたか」だけを持てば足ります。

注意点

在庫管理表と、確定申告で使う棚卸表は別のものです。管理表は日々更新する運用の道具、棚卸表は年末時点の在庫を確定させる税務の書類です。年末の数え方と評価方法はせどりの棚卸のやり方|年末在庫の数え方と評価方法の決まりで確認してください。日々の記録が残っていれば、そのときの作業が大きく楽になります。

動かなくなった在庫に早く気づくための見方

在庫管理の目的は、記録を残すことそのものではありません。動いていない商品に、費用が膨らむ前に気づくことです。見るべき数字は場所によって違います。

預けている在庫は保管日数で見る

Amazonの公式サイトでは、FBAの手数料として在庫保管手数料と長期在庫保管手数料が案内されており、「365日を超えてフルフィルメントセンターに保管されるすべての商品には、長期在庫保管手数料がかかります」と明記されています(Amazon出品サービス公式サイト/2026年9月時点で確認)。同じページでは、在庫の保管日数ごとの在庫量を確認するためのページが用意されていることも案内されています。

つまり、預けた在庫については保管日数という数え上げがすでに動いているということです。金額の内訳は変動するため本記事では扱いません。高騰した商品を長く持つ場合の費用の考え方は品薄・高騰している商品の仕入れ判断|価格差だけで決めないための手順で説明しています。

手元の在庫は仕入れた日から数える

手元の在庫には、保管日数を数えてくれる仕組みがありません。だからこそ管理表の「仕入れた日」が効きます。今日の日付との差を見れば、その商品が何日動いていないかがすぐに分かります。

何日を長いと見るかは、扱う商品と資金の回り方によって変わります。目安を自分で決めるための考え方はせどりのROIと回転率|利益額だけで仕入れを決めないための考え方で扱っています。

見直すタイミングを先に決めておく

在庫管理が続かなくなる原因は、記録ではなく見直しのほうにあります。「時間があるときに確認する」と決めた場合、確認されるのはたいてい問題が起きたあとです。次の順序で、見直す日を先に決めてください。

1
STEP1 記録する場所を1つに決める

スプレッドシートでもExcelでも構いませんが、置き場所を1つにすることだけは決めてください。複数のファイルに分かれた時点で、どれが最新か分からなくなります。

2
STEP2 仕入れた日に記録する習慣にする

まとめて入力しようとすると、日付と仕入れ値が思い出せなくなります。仕入れた当日に、5項目のうち分かるところだけ埋めてください。

3
STEP3 週に1回、動いていない在庫だけを見る

すべての行を見る必要はありません。仕入れた日から日数が経っている行だけを上に並べ、そこだけを確認します。

4
STEP4 月に1回、出口を決め直す

動いていない商品について、価格を見直すか、そのまま待つか、手放すかを決めます。決めずに次の月へ送らないことがこの工程の目的です。

週次で見るのは「気づくため」、月次で見るのは「決めるため」です。この2つを分けておくと、毎週すべてを判断し直す負担がなくなります。売れない商品をどう扱うかはせどりの損切りの判断基準|売れない商品の値下げと処分の決め方で詳しく説明しています。

記録が続かないときに削るもの

それでも続かない場合、削る順番を決めておくと立て直せます。削ってよいのは項目であって、頻度ではありません。

削ってよいもの・残すもの
  • 削ってよい — 想定売値、識別名、メモ欄など、あとから調べ直せるもの
  • 削ってよい — 売れた商品の行の詳細(売上は販売先の履歴に残っている)
  • 残す — 仕入れた日
  • 残す — 今ある場所
  • 残す — 週1回、動いていない在庫を見る習慣

記録の量が増えて手作業が追いつかなくなったときは、会計側の仕組みに寄せることも選択肢になります。判断の目安はせどりの会計ソフトの選び方|確定申告・記帳をラクにする判断基準で整理しています。

AIを使うなら

AIを使うなら

在庫管理でAIが役に立つのは、判断そのものではなく整理の部分です。「この一覧から、仕入れから90日以上動いていない行だけを抜き出して」といった絞り込みや、記録の書式をそろえる作業は任せられます。一方で、その商品を値下げすべきか手放すべきかは、保管の費用と資金の状況を踏まえた判断になるため、AIの回答をそのまま採用しないでください。記録を振り返りに使う手順はせどりの仕入れ記録をAIで振り返る方法|次の判断に活かすコツで扱っています。

※AIの回答だけで仕入れを決定せず、価格・手数料・販売条件などの一次情報も必ずご自身で確認してください。

在庫管理を続けた先につながること

在庫の記録は、在庫管理だけのために作るものではありません。同じ記録が、そのあといくつもの場面で使われます。

記録が使われる場面
  • 売れない商品を値下げするか手放すかを決めるとき
  • 年末に棚卸表を作るとき
  • 確定申告で仕入れと在庫を分けて考えるとき
  • 次に何を仕入れるかを、過去の結果から考えるとき

とくに年末の棚卸は、日々の記録があるかどうかで作業量が大きく変わります。在庫管理は運用のためだけの作業ではなく、あとの手続きを軽くするための前倒しでもあります。

よくある質問

Q. 在庫管理表はExcelとスプレッドシートのどちらがよいですか?

どちらでも構いません。判断の基準は機能ではなく、外出先の端末からも同じ表を開けるかどうかです。仕入れの現場で確認したい場面があるため、開ける環境が多いほうを選んでください。

Q. 商品が数点しかなくても在庫管理は必要ですか?

点数が少ないうちに始めるほうが楽です。あとから始める場合、過去に仕入れた商品の日付と仕入れ値を思い出す作業が先に発生します。最初は仕入れた日を書くだけでも構いません。

Q. 仕入れた商品にどんな管理番号をつければいいですか?

自分が見て区別できれば十分で、決まった形式はありません。仕入れた日と通し番号を組み合わせる程度で足ります。番号の付け方を工夫するより、同じ商品を複数回仕入れたときに混ざらないことを優先してください。

Q. 在庫管理表があれば、確定申告の書類はそのまま作れますか?

そのままでは作れません。管理表は運用の道具で、税務で必要になるのは年末時点の在庫を確定させた棚卸表です。ただし仕入れた日と仕入れ値が残っていれば、棚卸表を作る作業は大幅に短くなります。

Q. 在庫管理ツールは最初から導入したほうがいいですか?

最初は必要ありません。表で管理していて、更新が追いつかない・場所の把握が合わなくなるといった不都合が実際に出てから検討してください。不都合が出ていない段階で導入しても、入力する項目が増えるだけになります。

まとめ

在庫管理で最初に決めるのは、ツールでも表の作り込みでもなく、何を記録し、いつ見直すかの2つです。記録は商品名・仕入れた日・仕入れ値・今ある場所・出口の5項目で足り、そのうち欠かせないのは仕入れた日と今ある場所です。見直しは、週に1回動いていない在庫に気づき、月に1回その出口を決め直す。この形を保てていれば、売れ残りに気づくのが遅れることも、年末の棚卸で記録を探し回ることもなくなります。項目を増やす前に、続けられる形にすることを優先してください。

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