「安く仕入れて高く売る」と言われても、その“安く仕入れる場所”がどこなのかが分からない——せどりを始めるとき、最初に止まるのはたいていここです。
仕入れ先は無数にあるように見えますが、整理すると「店舗で探す」か「ネットで探す」かの2つに分かれます。この記事では、その2つの違いと向き不向き、どちらから始めるか、そして仕入れ先を増やすときの順番を整理します。特定の店名を並べるのではなく、自分で仕入れ先を選べるようになる考え方を扱います。
仕入れ先は「店舗」と「ネット」の2つに大別されます。どちらが優れているということはなく、使える時間・移動できる範囲・扱いたい商品によって向き不向きが変わります。最初は片方に絞り、その場所で判断の型ができてからもう一方を足すほうが、覚えることが分散せずに済みます。どの仕入れ先を使う場合でも、共通して確認するのは「領収書が出るか」と「古物に該当しないか」の2点です。
- 仕入れ先が「店舗」と「ネット」に分かれる理由
- それぞれの向き不向き
- 最初にどちらから始めるかの決め方
- 仕入れ先を増やすときの順番
- どの仕入れ先でも共通して確認する2点
仕入れ先は「店舗」と「ネット」に大きく分かれる
せどりの仕入れ先を細かく挙げていくときりがありません。ただし、自分が足を運んで商品を見るか、画面の上で商品を探すかという分け方をすると、2つに収まります。
- 店舗で探す — 実物を手に取って状態を確認できる。移動時間がかかる
- ネットで探す — 移動が不要で時間帯を選ばない。実物は届くまで確認できない
この違いは「どちらが儲かるか」ではなく、何を確認できて、何を確認できないかの違いです。店舗では状態を自分の目で確かめられる代わりに、その日その店にあるものしか選べません。ネットでは選べる範囲が広い代わりに、届いてみないと分からない部分が残ります。
「初心者は店舗から」「今は電脳が主流」といった意見をよく見かけますが、どちらも条件つきの話です。平日の日中に動けるか、週末しか時間が取れないかで、現実的に選べる仕入れ先は変わります。他人の前提ではなく、自分の使える時間から考えてください。
店舗で仕入れる場合の向き不向き
店舗仕入れは、実物を確認できることが最大の利点です。外箱の傷、付属品の有無、開封済みかどうかといった、写真では分かりにくい情報をその場で判断できます。中古品を扱う場合や、状態によって価格が大きく変わる商品では、この利点が効きます。
一方で、成果が移動時間に左右されます。1日に回れる店舗数には限りがあり、行った日に目当てのものがあるとは限りません。「行けば必ず何かある」わけではないことを前提に、空振りの日も含めて時間を見積もる必要があります。
店舗で見るべきなのは値札より「動いていない棚」
値下げされている商品を探すのは自然な発想ですが、値下げ品がすべて売れる商品とは限りません。値下げされている理由が「その店で売れなかったから」であれば、他の場所でも売れにくい可能性があります。安いかどうかと、売れるかどうかは別の問いです。売れるかどうかの見方はせどりで売れる商品の見分け方で扱っています。
ネットで仕入れる場合の向き不向き
ネット仕入れは、移動がいらず、時間帯を選ばないことが利点です。店舗が閉まっている時間にも探せるため、本業がある方でも組み込みやすくなります。扱える商品の範囲も、物理的な移動距離に縛られません。
弱点は、実物を確認できないことです。商品ページの写真と説明が唯一の情報源になるため、状態の判断が売り手の記載に依存します。到着してから想定と違うと分かった場合、その分の時間と送料が戻ってこないこともあります。
ネット仕入れの代表例として、楽天市場を仕入れ先として使う方法があります。ポイントの扱いを含めた具体的な進め方は楽天せどりとは?仕入れ先としての使い方と楽天での仕入れリサーチで説明しているため、本記事では繰り返しません。
ネットで仕入れる場合、購入した店舗が事業者かどうかで扱いが変わることがあります。領収書が発行されるか、宛名を指定できるかは、経費として記録するときに効いてきます。何を経費にできるかはせどりの経費になるもの・ならないもので整理しています。
最初にどちらから始めるか
両方を同時に始めると、覚えることが倍になります。最初は片方に絞ってください。決め方は単純で、自分がまとまった時間を取れる曜日と時間帯で決まります。
- 平日の日中に動ける — 店舗仕入れを試しやすい。人が少なく落ち着いて探せる
- 平日の夜と週末しか動けない — ネット仕入れのほうが組み込みやすい
- 移動手段が限られている — ネット仕入れから始めるほうが現実的
- 近くに対象になりそうな店舗が複数ある — 店舗仕入れの効率が上がる
どちらを選んでも、最初にやることは同じです。1つ仕入れて、1つ売り切るまでを通すこと。この1周を経験すると、自分がどこでつまずくのかが具体的に分かります。全体の流れはせどりとは?仕組み・始め方で確認できます。
仕入れ先を増やすときの順番
1周できるようになったら、仕入れ先を増やす段階に入ります。ここで闇雲に広げると、どの仕入れ先が自分に合っているのかが分からなくなります。次の順番で進めてください。
どこで何を仕入れて、いくらで売れたか、売れるまでにどのくらいかかったかを記録します。増やす判断は、この記録がないとできません。
利益が残った商品に共通するジャンルや価格帯を見ます。仕入れ先を増やすときは、その共通点を扱っている場所を選びます。
いきなり店舗からネットへ、と種類を変えると比較になりません。まずは同じ種類の中で1つ増やし、前の仕入れ先との違いを見ます。
片方で判断の型ができてから、もう一方を試します。この順番なら、うまくいかなかったときに原因が仕入れ先なのか判断なのかを切り分けられます。
記録を振り返る作業はAIに任せられる部分があります。渡し方はせどりの仕入れ記録をAIで振り返る方法で扱っています。
どの仕入れ先でも共通して確認する2点
仕入れ先が変わっても、確認する項目は変わりません。次の2点は毎回見てください。
領収書やレシートが残るか
仕入れ値を証明できる書類がないと、あとで経費として扱いにくくなります。店舗ならレシート、ネットなら購入履歴や領収書のダウンロードが該当します。その場では小さな手間でも、年末にまとめて探すことはできません。記録の残し方はせどりの在庫管理のやり方で扱っています。
その仕入れが古物に該当しないか
中古品はもちろん、一度一般消費者の手に渡った未使用品も、古物として扱われる場合があります。利益を目的に古物を継続的に売買する場合は、古物営業の許可が必要です。判断に迷う場合は、警視庁の古物商許可の案内など、所轄の警察署や公安委員会の公式情報で確認してください。申請の手順・費用・必要書類は古物商許可の取り方で説明しています。
仕入れ先が新品を扱っているかどうかだけでは、古物に該当するかは決まりません。同じ「新品」でも、メーカーや小売店から直接仕入れたものと、一度個人の手に渡ったものとでは扱いが変わることがあります。仕入れ経路で判断してください。
AIを使うなら
仕入れ先選びでAIが役に立つのは、候補を比べる材料を整理する部分です。「この2つの仕入れ先について、確認すべき項目を同じ形式の表にして」といった使い方は向いています。一方で、どの店が安いか、いま何が売れているかをAIに答えさせないでください。AIは現在の在庫や価格を見ていません。基本的な使い分けはせどりにAIをどう使うかで扱っています。
※AIの回答だけで仕入れを決定せず、価格・手数料・販売条件などの一次情報も必ずご自身で確認してください。
仕入れ先が決まったら次にやること
扱うジャンルを決めてから探すほうが、仕入れ先も絞りやすくなります。ジャンル別の見方は本せどりの始め方と家電せどりの注意点で扱っています。
場所が決まっても、そこで何を買うかは別の判断です。仕入れる前に利益が残るかを計算し、その商品が実際に売れているかを確認する——この順番を飛ばすと、仕入れ先を変えても結果は変わりません。計算の手順はせどりの利益計算のやり方、探し方の基本はせどりの商品リサーチで確認してください。
Q. 仕入れ先はいくつ持っておくべきですか?
決まった数はありません。増やすほど選択肢は広がりますが、そのぶん確認する項目も増えます。今の仕入れ先で結果が出ていないうちに増やしても、原因が分からなくなるだけです。1つで1周してから考えてください。
Q. 仕入れ先は人に教えてもらったほうが早いですか?
早く始められる一方で、その場所が自分の条件に合うとは限りません。教わった仕入れ先でも、確認する項目は自分で決める必要があります。まず1つ通して経験すると、教わった情報も判断しやすくなります。
Q. 店舗仕入れとネット仕入れを同時に始めてもいいですか?
できますが、おすすめはしません。うまくいかなかったとき、仕入れ先の問題なのか判断の問題なのかを切り分けられなくなります。片方で型ができてから足すほうが、結果的には早道です。
Q. 仕入れ先によって古物商許可が必要かどうかは変わりますか?
変わることがあります。中古品を扱う場合はもちろん、一度一般消費者の手に渡った未使用品も古物として扱われる場合があります。仕入れ経路で判断が変わるため、所轄の警察署や公安委員会の公式情報で確認してください。
Q. 領収書が出ない仕入れ先は避けるべきですか?
避けるべきとまでは言えませんが、仕入れ値を証明する材料が少なくなります。購入履歴やクレジットカードの明細など、代わりに残せるものがあるかを確認しておくと安心です。
仕入れ先は「店舗」と「ネット」の2つに整理でき、優劣ではなく自分が使える時間と確認したい情報で選ぶものです。最初は片方に絞り、1つ仕入れて1つ売り切るまでを通す。結果を記録し、うまくいった商品の共通点が見えてから、同じ種類の仕入れ先を1つ足す。そして、どの仕入れ先を使う場合でも「領収書が残るか」「古物に該当しないか」の2点だけは毎回確認する。この形を守っていれば、仕入れ先が増えても判断の軸はぶれません。


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