家電は単価が高く、1台あたりの利益を取りやすい商材です。その一方で、確認を1つ飛ばしただけで利益が消えるジャンルでもあります。型番の枝番違い、付属品の欠品、保証書の未記入——どれも見落としやすく、たいていは届いてから気づきます。
さらに家電には、他のジャンルにはない法律上の確認事項があります。この記事では、仕入れの前に見る項目と、電気用品安全法で販売事業者に関わる部分を、経済産業省の公開情報をもとに整理します。
家電を扱うときに確認するのは①型番 ②付属品 ③状態と動作 ④表示(PSEマーク等)の4点です。とくに4つ目は法律に関わります。経済産業省の説明では、電気用品の製造・輸入・販売の事業を行う者は、法で定められた表示が付されているものでなければ販売・陳列できないとされています(法第27条/2026年9月時点で確認)。中古で仕入れる場合も、この表示の有無を自分で確認してください。
- 家電で利益が消える典型的なパターン
- 型番と付属品の確認手順
- 電気用品安全法で販売する側に関わること
- 中古家電で特に注意する点
- 仕入れ前のチェックの順番
家電で利益が消える典型的なパターン
単価が高いぶん、想定と違ったときの差も大きくなります。よくあるのは次の4つです。
- 型番の枝番が違い、実際には別の商品だった
- 付属品(リモコン・ケーブル・取扱説明書)が欠けていた
- 保証書に販売店の記入がなく、保証が使えない状態だった
- 箱が大きく、送料の区分が想定より上だった
いずれもその場で確認できたはずのことです。家電は「安く見えた」だけで動くと損失が大きくなるため、確認の順番を固定しておくのが有効です。
家電は1台あたりの金額が大きいため、最初の1台は「利益が大きい商品」ではなく「確認の練習ができる商品」を選ぶほうが安全です。確認項目を一通り通してみて、自分がどこを見落とすかを知ってから金額を上げてください。
型番と付属品の確認手順
型番は本体の表示で確認する
箱と本体で表記が違うことがあります。本体側の型番表示を基準にしてください。末尾の記号1文字で色や仕様が違い、価格帯が変わることがあります。この照合作業そのものは楽天とAmazonの照合と同じ考え方で、手順は楽天での仕入れリサーチで扱っています。
付属品は「あるはずのもの」から数える
手元にあるものを数えるのではなく、その型番に本来何が付属するのかを先に調べてから、欠けているものを探します。この順番にしないと、無いことに気づけません。
保証書は記入の有無まで見る
保証書が同梱されていても、販売店名や購入日の記入がなければ保証が使えない場合があります。「保証書あり」と記載して販売すると、購入者との認識の食い違いにつながります。出品時の記載の考え方はAmazon出品ページの作り方で扱っています。
電気用品安全法で販売する側に関わること
家電を扱う場合、避けて通れないのが電気用品安全法です。経済産業省の「電気用品安全法の概要」では、次のように説明されています(2026年9月時点で確認)。
- 販売の制限(法第27条)— 製造・輸入・販売の事業を行う者は、法で定められた表示が付されているものでなければ、販売し、又は販売の目的で陳列してはならない
- 事業届出(法第3条)— 届出の対象は電気用品の製造又は輸入の事業を行う者。販売のみを行う場合は届出の対象として挙げられていない
- 対象品目 — 特に危険や障害の発生するおそれが多いものが「特定電気用品」、それ以外が「特定電気用品以外の電気用品」として区分されている
詳しくは経済産業省「電気用品安全法の概要」で確認してください。対象品目は多岐にわたり、テレビや音響機器、電気冷蔵庫、電気スタンド、リチウムイオン蓄電池などが挙げられています。
本記事は法律の内容を要約したものであり、個別のケースの判断を示すものではありません。対象品目や表示の要件は改正されることがあります。自分が扱おうとしている製品が該当するか、表示が適切かの判断に迷う場合は、必ず経済産業省の公式ページまたは所管の窓口で確認してください。
中古家電で特に注意する点
中古の家電は、新品にはない確認が増えます。
- 表示(PSEマーク等)が本体に残っているか
- 通電するか、基本的な動作をするか
- 付属品の欠品を正確に把握しているか
- 外観の傷や汚れを、記載できる粒度で把握しているか
また、中古品を継続的に売買する場合は古物営業の許可が必要になることがあります。新品のつもりでも、仕入れ経路によっては古物に該当することがあります。警視庁の古物商許可の案内など、所轄の警察署や公安委員会の公式情報で確認してください。手順は古物商許可の取り方で説明しています。
仕入れ前のチェックの順番
順番を固定しておくと、金額の大きさに気を取られて確認を飛ばすことがなくなります。
箱ではなく本体側で確認します。写真に撮っておくと、あとで照合できます。
手元を数える前に、あるべきものを確認します。この順番でないと欠品に気づけません。
法で定められた表示が本体にあるか、通電と基本動作、外観の状態を確認します。
家電は箱が大きく、送料が利益を圧迫します。サイズを測る前に仕入れ値を決めないでください。
STEP4で使う費用の引き方はせどりの利益計算のやり方、発送方法の絞り込みはせどりの発送方法の選び方で扱っています。
AIを使うなら
家電では、型番ごとの付属品リストを表に整理する、確認項目をチェックリストにする、といった用途にAIが向いています。一方で、その製品が電気用品安全法の対象かどうか、表示が適切かどうかをAIに判断させないでください。法令の対象品目は改正され、AIが参照している情報が最新とは限りません。判断は経済産業省の公式ページか所管の窓口で確認してください。使い分けはせどりにAIをどう使うかで扱っています。
※AIの回答だけで仕入れを決定せず、価格・手数料・販売条件などの一次情報も必ずご自身で確認してください。
始めるなら何から扱うか
家電といっても範囲が広く、最初から大型を扱う必要はありません。箱が小さく、付属品が少なく、動作確認が簡単なものから始めると、確認の型を作りやすくなります。扱うジャンルを広げる前に、1つのジャンルで確認手順が固まっているかを見てください。同じく動作確認が必要なジャンルはゲームせどりの注意点で扱っています。値動きの大きいジャンルの見方はおもちゃせどりの注意点で扱っています。どこで仕入れるかはせどりの仕入れ先の探し方で整理しています。
Q. 中古の家電を売るのに、経済産業省への届出は必要ですか?
経済産業省の説明では、事業届出の対象として挙げられているのは電気用品の製造または輸入の事業を行う者です。販売のみを行う場合は届出の対象として挙げられていません。ただし販売の制限は販売事業者にも及ぶため、表示の確認は必要です。個別の判断は公式ページか所管の窓口で確認してください。
Q. 表示が見当たらない家電はどうすればいいですか?
販売の制限に関わるため、表示が確認できないまま販売や陳列に進むのは避けるべきです。判断に迷う場合は、経済産業省の公式ページで対象品目と表示の要件を確認するか、所管の窓口に問い合わせてください。
Q. 型番の枝番はどこで確認できますか?
本体に貼られた表示で確認するのが確実です。箱と本体で表記が異なる場合があるため、本体側を基準にしてください。
Q. 付属品が欠けている家電は仕入れないほうがいいですか?
一律に避ける必要はありませんが、欠品を正確に把握し、その状態で成立する価格かを先に計算してください。把握できていない欠品があると、販売後に問題になります。
Q. 動作確認はどこまでやればいいですか?
最低限、通電と基本的な動作は確認してください。確認できない範囲がある場合は、その旨を記載できる状態にしておく必要があります。確認していないことを確認したことにしないでください。
家電は単価が高いぶん、確認を飛ばしたときの損失も大きくなります。見るのは型番・付属品・状態と動作・表示の4点で、順番を固定しておくことが有効です。とくに表示については、経済産業省の説明で、製造・輸入・販売の事業を行う者は法で定められた表示が付されているものでなければ販売・陳列できないとされています(2026年9月時点で確認)。対象品目や要件は改正されるため、判断に迷う場合は必ず公式ページか所管の窓口で確認してください。まずは箱が小さく付属品の少ないものから、確認の型を作るところから始めてみてください。


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